なぜ3Dスキャナが必要なのか
PVL肢体不自由児の装具は、体の成長とともに定期的な調整や作り直しが必要です。 しかし、従来の石膏型取りや手作業での調整では時間がかかり、子どもにとっても負担となります。 3Dスキャナを導入することで、短時間で正確なデータを取得し、CADでの改善検討や記録保存が可能になります。
さきちゃんの装具の課題
- 下肢装具の膝部分が成長に追いつかず、圧迫が発生
- 石膏型取りの際の体位保持が困難
- 微細な調整のたびに装具屋さんへの通院が必要
- 過去の装具データが残らず、改善の蓄積ができない
装具スキャンに必要な性能要件
装具の3Dスキャンを行うために必要な性能を整理しました。
| 要件 | 必要な仕様 | 理由 |
|---|---|---|
| 精度 | 0.1mm以下 | 装具の微細な調整に必要 |
| スキャン範囲 | 300mm以上 | 下肢装具全体をカバー |
| 材質対応 | プラスチック、金属 | 装具の主要材質 |
| 操作性 | ハンディタイプ | 装着した状態でスキャン |
| データ出力 | STL, OBJ対応 | CADソフトとの連携 |
| 価格 | 30万円以下 | 個人利用での現実的範囲 |
候補機種の比較検討
上記要件を満たす機種をいくつか検討しました。
EinScan Pro 2X Plus
- 精度: 0.1mm
- 価格: 約80万円
- スキャン速度: 高速
- ✗ 予算オーバー
Artec Eva
- 精度: 0.1mm
- 価格: 約100万円
- プロ仕様の高性能
- ✗ 予算大幅オーバー
Revopoint MetroY Pro
- 精度: 0.02mm
- 価格: 約24万円
- ブルーレーザー方式
- ✓ 要件を全て満たす
Revopoint MetroY & MetroY Pro を選んだ理由
決定的な優位点
🎯 高精度
MetroY Pro は0.02mmの精度を実現。装具の微細な調整に十分対応可能。
💰 価格合理性
個人利用でも現実的な価格帯。MetroYは約18万円、Proは約24万円。
🔵 ブルーレーザー
プラスチック製装具でも反射の影響を受けにくい。
📱 使いやすさ
直感的なソフトウェア。子どもの扱いに集中できる。
MetroY と MetroY Pro の違い
| MetroY | MetroY Pro | |
|---|---|---|
| 精度 | 0.05mm | 0.02mm |
| 価格 | 約18万円 | 約24万円 |
| 用途 | 一般的な3Dスキャン | 精密な計測・検査 |
最終的な選択
装具の精密な調整が必要なため、MetroY Proを選択しました。 6万円の価格差はありますが、0.02mmの精度は装具の微調整において大きなアドバンテージになります。
購入・導入予定
Revopoint MetroY Pro
購入予定: 2025年10月
価格: 約24万円(税込)
販売元: Revopoint Japan
今後の活用予定
📐 装具の改善検討
現在の装具をスキャンし、CADで改善案を検討。3Dプリンタでプロトタイプ作成も。
📊 成長記録
定期的なスキャンで体型変化を記録。装具交換のタイミング判断に活用。
🤝 情報共有
装具屋さんとの情報共有ツール。正確なデータでスムーズなやり取り。
💡 支援活動
同じような境遇の方への技術サポート。ノウハウの蓄積と共有。
導入後の活用レポートをお楽しみに
実際に導入して装具スキャンを行った結果や、CADでの改善検討、 3Dプリンタでのプロトタイプ作成などの体験を詳しくレポートする予定です。